柴田学園 研究者一覧 researcher
研究テーマ「 タンパク質のニトロ化が増えると何が起きるのか? 」
柴田学園大学 准教授 飯泉 恭一
研究職を志したのは、大学の卒業研究で研究の面白さを知ったのがきっかけでした。その後は様々な分野の研究室に在籍しましたが、常に優れた恩師に恵まれ、そして素晴らしい仲間達に支えられ、今に至っています。■研究内容
昨年度の卒業研究生が、アニサキスという寄生虫のタンパク質には強くニトロ化を受けるものが存在することを明らかにしました。アニサキスを経口摂取した場合、アレルギー性の激しい腹痛を引き起こすことがあるのですが、ニトロ化が関係しているのではないかと考えて研究を進めています。また、上記とはまったく異なる研究なのですが、優良野生酵母の探索も行っています。岩木山周辺で野生酵母を採取し、それを用いてパン作りを試みています。昨年度は、酵母の単離には成功したのですが、美味しいパンを作ることができませんでした。今年度は試行錯誤の結果、非常に美味しいパンを作ることができました。今後はこれらの酵母を活用して地域の特産品開発に貢献したいと考えています。
中高生へのメッセージ
皆さんは中学校・高校において勉強に励んでいることと思います。これは大学に進学しても同様です。大学においても多くの知識を学ぶことになります。しかし、それだけではありません。大学では研究を行い(卒業研究)、それを論文としてまとめることも必要となります。研究はパズルに似ています。知識というピースをもとに様々なパズルを完成させる(真理の探求を行う)のです。この作業は非常に面白いです(パズルですから!)。是非、大学で研究に触れてください。
プロフィール
柴田学園大学 准教授 飯泉 恭一1976年 生まれ
1999年 東京理科大学 理学部二部 物理学科 卒業
2002年 東京都立大学大学院 理学研究科 生物科学専攻 修士課程修了
2006年 順天堂大学大学院 医学研究科 博士課程修了
2019年 東北女子大学 准教授
研究テーマ「 国際法(条約などの、主に国家間の関係を規律するルール) 」
柴田学園大学 准教授 小野 昇平
父も、母方の祖父も研究者だった(分野は私と全く違いますが)こともあり、また自宅の近くに国立大学があったことから、大学や大学の先生というものに親しみを感じていました。その後実際に大学に入って、大学での学びの中で、答えのない問題について様々な視点から考えることの面白さに気づき、「もっと知りたい」と思い研究者を志しました。
■研究内容
私の専門は法学ですが、その中でも、国家間のルールである「国際法」について研究をしています。国家間のルールは一見私たちの日常生活から遠いものだと思うかもしれません。しかし、例えば青森県でも、弘前のリンゴは外国に輸出されていますが、輸出入に関する様々な取り決めも国家間のルールです。大間のマグロは有名ですが、マグロは回遊する魚なので、国際社会みんなでマグロの資源保護を図らなければ大間でマグロが取れなくなってしまいます。それから、八戸で今年から「商業捕鯨」が再開されたとニュースになっていましたが、このニュースの背景には日本が「国際捕鯨取締条約」を脱退したことがあります。
また障害者支援や子どもの福祉に関する日本の法律やそれに基づく様々な制度にも、それぞれ障害者の権利条約や児童の権利条約といった国際条約が大きな影響を与えています。これらの条約は、障害者や子どもの人権保障をその国任せにせず、国際社会全体で守っていこうという趣旨のルールです。これらはすべて実際に青森県に住む人たちの生活に関する問題でもありますから、私たちは知らず知らずのうちにこれらの国家間のルールに影響を受けているわけです。
中高生へのメッセージ
世の中は謎だらけです。そもそも…「どうして小学校の理科の授業でクモやムカデが出てこないんだろう?」「どうして横断歩道は白のシマシマなんだろう?」「どうして弘前の家は屋根が平らなんだろう?」「弘南鉄道はなんで弘前駅と中央弘前駅で分断されているんだろう?」「どうしてお母さんは結婚したら名字を変えたんだろう?」「どうして虐待やいじめが起きるんだろう?」「どうして学校に行かなきゃいけないんだろう?」「なんで人は人を好きになったり嫌いになったりするんだろう?」…キリがありません。それほど世の中には「?」があふれています。 未来の世界では、今はまだ出現していない「?」がさらに生まれてくるでしょう。大学の授業の中でこれらの謎の一部が解き明かされることもあるかもしれないけれど、それはほんの一部。残された謎は皆さん自身がこれから学んで、調べて、考えて、解き明かしていくのです。
プロフィール
柴田学園大学 准教授 小野 昇平1979年 宮城県生まれ
2009年 東北大学大学院法学研究科博士課程後期3年の課程修了
2009年 東北大学大学院法学研究科助教
2014年 東北女子大学家政学部児童学科講師
2018年 同 准教授
2021年 柴田学園大学生活創生学部こども発達学科准教授(至現在)
研究者インタビュー
研究テーマ「 保育者を目指す学生のみなさんがベテランの先生に少しでも早く
近づくためには、どのような情報(手がかり)が有効であるか 」
柴田学園大学短期大学部 教授 佐々木 典彰
大学時代、とてもすさんでいました(趣味に没頭し、必修科目も受けず、自分探しで結局留年)。やがてまじめに大学に通い始めたとき、これまでの自分の心は学問的にどう説明されるのかに関心を持ち、独学で心理学を勉強し始めました。
その中で、特に評価(人は人の何をどうみてどう評価しているのか)についてもっと探りたいと思い、研究者を志しました
■研究内容
最近の研究例として、どのような実習日誌が高く評価されるのかを実験的に検討しました。ダミーの実習日誌として、「観察・子ども理解の内容」を本音・主観的に書いた場合(例えば、子どもの性格等を決めつけるように書く)と、一般的に書いた場合の大きく2パターンの日誌を作り、保育現場の先生方に評価していただきました。その結果、本音・主観的な記述は評価を下げることが示唆されました。だから何?と言われそうですが、主観・本音的に書くことは必ずしもNGではないのではないか、学生にとっては子ども理解を深めるきっかけになるのではないか、実は個人的にそう考えていまして、この研究はまず現状を知るためのものだったのです。今後の行方を見守っていただければ幸いです。
中高生へのメッセージ
五感を磨こう!実際に見て、聞いて、触って、嗅いで、味わえば、きっと何かが見つかるはず。普段の生活の中で、スマホをちょっと置いて、試してみよう。
プロフィール
柴田学園大学短期大学部 教授 佐々木 典彰1976年 生まれ
2007年 東北大学大学院教育情報学教育部 博士課程後期3年の課程修了
2007年 株式会社教育測定研究所 研究員
2010年 東北女子短期大学 講師
2011年 同短期大学 准教授
2017年 同短期大学 教授
研究者インタビュー
研究テーマ「 体力づくりと体力向上のための食育 ~いつのミネラルが大切か~ 」
柴田学園大学 准教授 前田 朝美(管理栄養士)
大学・大学院に在学中にお世話になった恩師の影響が強いと思います。恩師の研究室には、現場で困った管理栄養士さんや企業の方などが食や健康に関することで、いつも相談に来ていました。私も、微力ながら、地域で活躍されている方々を手助けできる研究を行いたいと思い、この職に就きました。
■研究内容
子どもの健康問題として肥満の予防や改善、生活習慣病予防に重点が置かれています。しかし、標準体型であっても筋肉量が少ない子も多く、体力低下の見逃せない課題です。そこで、運動器の健康維持、特に令和2年度は骨代謝に注目し、いつ・どのようなバランスでミネラルを摂取するのが効果的かを検討しています。カルシウムの摂取状況は、どの年代も不足傾向が続いています。子どもにおいては、平日の昼食は給食で牛乳を摂取するため、朝食と夕食との差が大きいことが報告されています。そこで、カルシウムの不足を効率よく防ぐには、いつ・どのようなバランスでミネラルを摂取するのが良いか、食後のミネラルの尿排泄を比較することで検討しました。
令和2年度は、朝・昼・夕の1日1食だけカルシウムを十分に含む食事をとる実験を行いました。その結果、グラフのように夕方に摂取したカルシウムは最も尿へ排泄されにくいことが分かりました。現在、骨ミネラルであるマグネシウムやリンとの関連についても分析しているところです
中高生へのメッセージ
青森県をはじめ北東北は健康課題がたくさんあります。食を通して、地域の方の生活に寄り添ったサポートができる管理栄養士を目指してみませんか?管理栄養士は、より多くの方に食生活の問題に気付いてもらうことで、病気の予防に繋がるやりがいのある仕事です。
プロフィール
柴田学園大学 准教授 前田 朝美(管理栄養士)1979年生まれ
2008年 県立広島大学大学院総合学術研究科 修士課程 修了
2002年 青森県学校栄養職員として小学校で勤務
2008年 比治山短期大学部 助手
2010年 東北女子大学 講師
2017年 同大学 准教授
研究者インタビュー
研究テーマ「 栄養と運動の面から「健康」について 」
柴田学園大学短期大学部
講師 宮地 博子(管理栄養士)
初めから研究者になりたいと思って進路を決めたわけではありませんでした。「これは、どうして」「これをしたら、どうなるの」など考えるようになってきてから、知らないことを勉強したり、調べたりしていくことに楽しさを覚えるようになりました。
■研究内容
中学生の頃から、運動をしてきましたが、就職(仕事)をしたと同時に運動から遠ざかっていました。仕事をしていく中で、「健康」には食事だけではなく「運動」体を動かすことも大切なのではないかと考え、以下の事について研究をはじめました。・運動選手の食事摂取状況と体組成計計測結果の関連
・運動(身体活動)の習慣と健康について
「健康の3本柱」は「栄養・運動・休養」です。栄養と運動の面から、「健康」についてを調べています。
中高生へのメッセージ
食.栄養、ビジネススキルを柴田学園大学短期大学部で一緒に学びましょう。2年後に、皆さんの夢が叶うように全力で応援します!!
プロフィール
柴田学園大学短期大学部 助教 宮地 博子(管理栄養士)1985年生まれ
2019年 弘前大学大学院 保健学研究科 博士前期課程修了 修士(保健学)学位取得
2008年 東北栄養専門学校 助手
2009年 東北女子短期大学 助手
2020年 同短期大学 助教
研究者インタビュー
研究テーマ「 生涯学習に関わる認識論・保育における総合性と子育て支援 」
柴田学園大学 准教授 安川 由貴子
大学で教育学について学びたいと思い、大学院では生涯学習の観点から教育や学習について学びたいと進学しました。将来についてはいつも悩みながらではありましたが、研究テーマについて更に考えてみたいと思ったことと、大学という学びの場に魅力を感じたことが現在の私に繋がっていると思います。
■研究内容
人にとって学びとは何かということについては、グレゴリー・ベイトソンのコミュニケーション論をもとに、「自己」を自己も含めた他者や物との関わり合いの中で捉えていくことや、認識の変容も含めた学習の捉え方について研究してきました。自己の捉え方を再考しながら、物事を部分としてではなく全体として捉えていくことの必要性について、また私たちの認識の変容のあり方について探究していきたいと考えています。私たちが、物事をどのように認識していくかという「ものの見方」が私たちの行動様式にも影響を与えていると考えています。保育の分野においても、上記の問題意識とも繋がるのですが、保育が環境を通して行われるという基本的な考え方と総合的に行うという考え方に関心をもっています。小学校以上の学習につながる基盤として、幼児期の教育・保育では遊びと生活が大切にされますが、遊びの中に私たちの成長につながる様々な要素が詰まっているということ、それらを総合的に捉えていくことの意味について探究していきたいと考えています。
中高生へのメッセージ
大学は自分で考えて選択し、自分で色々とチャレンジできる場であると思います。また、大学は、様々な諸課題に対してじっくりと学び、考えることができる場であることが魅力であると考えています。また、友達や先生方、周りの環境を大いに活かして協力し合っていく中で新しい世界が広がっていくと思います。これまで本学で学んできた学生からも、大学生活の4年間で自分が大きく成長できた、色々なことにチャレンジできたという声が多く聞かれます。自分の夢に向かって、色々なことにチャレンジし、新しい自分に出会えた、成長できたと実感できる4年間にしてほしいと思います。
本学は小規模大学で、先生方、先輩、後輩との距離が近くアットホームな雰囲気で学ぶことができます。本学で一緒に学んでみませんか?
プロフィール
柴田学園大学 准教授 安川 由貴子2003年 奈良女子大学文学部人間行動科学科教育文化情報学専攻 卒業
2005年 京都大学大学院教育学研究科 修士課程 修了
2007年 京都大学大学院教育学研究科 博士後期課程 退学
2007年 京都大学大学院教育学研究科教育実践コラボレーション・センター 助教
2009年 京都聖母女学院短期大学児童教育学科 講師
2013年 東北女子大学家政学部児童学科 講師
2018年 同大学 准教授